【独学】中小企業診断士2次試験Tips3選【ストレート合格】
こんにちは。中小企業診断士登録前のshushu(シュシュ)と申します。
今回は中小企業診断士2次試験について、独学でストレート合格を狙うためのコツを紹介します。
令和6年度に受験した私自身の体験を踏まえながら、端的にまとめていこうと思います。
それではどうぞ!
こんな方におすすめ!
これから2次試験に挑まれる独学勢の方
Tip1|事例Ⅳ対策を徹底する
事例Ⅳに最注力すべき理由
2次試験では事例Ⅳが合否を左右すると言われています。
理由はいくつかありますが「計算スピードの差が如実に出るため受験生間で点差がつきやすいから」が一番の理由でしょう。
実際にXにあがっている各人の試験結果を集計された方がいましたが、事例Ⅳのバラツキが突出していました。
事例Ⅰ~Ⅲは国語の問題といった側面が強いのに対して、事例Ⅳは計算が絡んできます。
事例Ⅰ~Ⅲは解き方のコツが掴めれば一気に伸びるイメージですが、事例Ⅳは積み重ね型です。
計算問題を繰り返し練習しておかないと、本番の80分の中で満足に解くことはほぼ不可能です。
さらに、令和6年度の事例Ⅳ、令和7年度1次試験の財務会計が難化傾向にあることから、
「財務会計をよくわかっていない者を診断士にするつもりはない」という協会からのメッセージであるとも読み取れます。
そして、事例Ⅳは2次試験の最後の科目であり、事例Ⅰ~Ⅲで頭を酷使した後なので体力・気力的な負荷がすごいです。
そのような負荷がかかった本番でも及第点以上を取るためには、ある程度手が勝手に動くレベルまで練習しておく必要があります。
おすすめ教材と注意点
おすすめの教材はおなじみ「事例Ⅳの全知識&全ノウハウ」です。基本これを徹底的にやっていれば60点レベルには達すると思います。
計算問題を練習する中で、電卓のメモリの使い方にも慣れておいた方がいいです。
例年ですと大問1~4に分かれていますが、大問1の経営分析(財務指標)は一番重要です。
ここでは満点を狙うつもりで練習したほうがいいです。
次に大事なのは意外にも大問4あたりにある文章問題です。
大問2や大問3の計算問題(CVP, NPV等)よりも実は重要だと思われます。
私は令和6年度の事例Ⅳで、大問2のセールスミックス・大問3のNPVのどちらもやらかしてしまい
計算過程の部分点を加味したとしても雀の涙ほどしか点数がとれていなかったはずでした。
はっきり言って足切りすら覚悟していたのですが、蓋を開けてみると54点でした。
これは大問4の文章問題を諦めずに書いたことが奏功しているとしか思えないのです。
診断士の先輩も「事例Ⅳは最後の文章問題で決まる」と同意見を仰っていました。
文章問題への対策の仕方は、他と同じく過去問の文章問題を解き、文章の型を覚え、論点を整理することで鍛えられます。
Tip2|全体構成を意識する
"メタ視点"で設問を捉えよう
特に事例Ⅰ~Ⅲについては、以下が最重要ポイントだと個人的に思います。
それは「設問の構造・関係性をメタ視点で捉える」です。
ここを意識するようになってから、解答の質が格段に変わったことを覚えています。
各設問は独立別個ではありません、繋がっています。ここマジで重要です。
出題者が想定するストーリーがあり、それに誘導するように設問は配置されています。
この点に気づいていなければ、独学で合格レベルに達するのは難しいと思います。
ちなみに設問構造を理解する重要性を認識させてくれたきっかけは「企業診断」という月刊誌です。
企業診断の2024年1月号/【中小企業診断士試験】実戦!錬成問題集 事例Ⅰ(LEC立花夏生先生)
の解説欄に【本事例の設問構造】という図解がなされており、まさに感覚的に理解することができました。
企業診断は大きい図書館であれば置いているところもあるので気になる方は確認してみてください。
コラム欄や特集ページでは診断士の世界を垣間見ることができて、そういった意味でも参考になるかと思います。
解答に"一貫性"を持たせよう
2次試験は解答がない試験・自分で解答を創造する試験ではなく、
与件文から課題を抽出し、1次試験知識+論理をもって妥当な提言を返すだけの試験です。
(与件文に書いていないことを解答に盛り込むのは"ポエム"と揶揄されることがあります)
また答案は設問ごとの寄せ集めではなく、全体として一貫性を持たせることが求められます。
設問間のつながりを意識してストーリー性のある答案を組み立てることが重要です。
具体的に言うと、事例Ⅰ~Ⅲにおいてありがちな設問の例として、
大問1あたりで現状把握(SWOT分析)→大問4あたりで提言というパターンが挙げられますが、
大問4の提言内容は基本的に「クロスSWOT分析の"S×O"」の形式を意識して書けば大きく外すことは無いです。
さらにここで用いる"S"と"O"は、大問1で自分が示したSWOTのキーワードを活用してください。
解答に一貫性をもたせるイメージをなんとなくご理解いただけたかと思います。
Tip3|型と時間感覚を叩き込む
解答手順を決めておこう
解答作成においては、ご自身に合った解答手順(型)を決めておくことが重要です。
過去問を使って型を磨き、80分の時間配分を体に染み込ませることで、本番でも安定した解答が書けます。
私の解答の型は「設問解釈(5分) → 与件文粗読み(5分)→与件文と設問との対応確認・全体構成のイメージ(10分)→各設問の解答作成[各設問に対応する与件文精読→キーワードを元に解答骨子作成→ 問題用紙空欄に解答下書き → 解答用紙に記入](各10分×5問程度)→最終確認(5~10分)」でした。
時間はだいたいの目安ですし、人によってしっくりくる解答手順は違うのであくまで参考です。
どの事例においても相当問題慣れしていないと80分という時間は短く、たいていは時間との戦いになります。
特にストレート合格を狙う初年度受験の方の場合、時間内に余裕をもって安定解答できる領域まで達するのは中々困難でしょう。
まずはご自身の解答の型の各工程にかかっている時間を確認し、どこがボトルネックかを探ってください。
次にボトルネックである工程について、訓練や工夫で短縮できるかを考えてください。
私自身はどうしても時間内に解き切れなかったので、以下のような工夫というか、意識的に「捨てる」ことを行いました。
・マーカーの使用をやめ、鉛筆一本のスタイルに決めた
・電卓のブラインドタッチをやめて、利き手で人差し指一本で見ながらやって計算ミスを減らす方向にシフト
それと事例Ⅳの計算のために問題用紙の空白ページを破くかどうか事前に決めておいたほうがいいです。
私は破かないことにしていましたが、計算量の多さを見て途中で定規(一応持って行った)を使って破きました笑
おすすめ教材と注意点
皆言っていることですが「過去問」を徹底的に何度も解いて型を磨いてください。
おすすめ教材はこちらもおなじみ「ふぞろい」です。やはりふぞろいが最強です。
私自身は「ふぞろいな合格答案10年データブック」を使っていましたが2017年までの過去問しか載っていない点がネックでした。
最近の出題傾向を知っておくためにも直近数年程度のふぞろいがあったほうが安心かとは思います。
ただし注意すべきなのは、ふぞろいでは"正答キーワードが入っていれば加点方式"をとっていますが
Tips2でも述べた通り"解答全体の整合性"や、"そもそも文章として成立しているか"もおそらく採点されていると考えられます。
その点もぜひチェックいただいた上で、キーワードを詰め込みましょう。
最後に
端的と言いつつ長くなってしまいましたが、上記3点は重要なポイントだと思います。
ぜひ2次試験対策する上で、役立てていただければ幸いです。
各事例ごとの細かな要点については今回は書けなかったので、機会があれば書きたいと思います。
こういった様々な情報をいかに獲得するかという意味でも、2次試験はまさに"情報戦"ですね。
私は令和6年度の2次試験を受験しましたが、試験直前の1週間は家族が風邪にかかり思うように勉強できず
さらに試験当日には私自身も体調が優れない中(幸いコロナではありませんでしたが…)
市販薬と喉スプレーの助けを借りながら、気力を振り絞って受験しました。
反面教師として、体調管理にはくれぐれもお気を付けください。
そして多少コンディションが悪くても、諦めず足掻けば受かることもあるということで
ぜひ最後まで諦めることなく力を出し切り合格を勝ち取っていただきたいと願っております!
筆者の受験履歴
令和6年度中小企業診断士試験ストレート合格(勉強時間は多分1000時間くらい)
・1次試験結果…80/88/88/63/68/72/64 合計523点
・2次試験結果…78/59/72/54 合計263点